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Kaleidoscope/建築施工系技術者に求められるコミュニケーション能力

第2回|業界が求める人材と能力

鹿島建設株式会社 建築管理本部 建築企画部 大湾 朝康

1 産業界が共通で求める人材像

 「コミュニケーション能力」に関わる実態や課題を語る前に、業界全体がどのような人材を求めているのか整理したいと思います。2010年に日本経済団体連合会が、採用選考で重視した能力を調査した結果、「コミュニケーション能力」を最も重視すると回答した企業が80%以上を示しており、コミュニケーション能力、主体性、協調性、チャレンジ精神など、個人固有の能力なりコンピテンシー(成果を導く上での行動特性)を重視する企業が増える傾向にあることが窺えます。因みに、「学業成績」や「出身校」を重視した企業は5%程度、グローバル人材が叫ばれている状況下、「語学力」を重視した企業は僅か3%程度となっております(図-1)。「コミュニケーション能力」を最重視する傾向は、2011年以降も継続しており、2012年では過去最高の82.6%※3と、同能力に対する企業のニーズが他を圧倒していることが窺えます。得意分野の有無や情報量よりも、上司や同僚とコミュニケーションをとり、前向きに仕事が出来るかどうかが重要視されているようです。経営、人事に関わる様々な書籍の情報を統合しますと、企業が求める理想の人物像として、コミュニケーション能力に長け、困難に出会っても知恵とやり遂げる知力・胆力があり、新しいことに挑戦するチャレンジ精神に富み、集団を率いるリーダーシップを持ちながらも、チームワークを重んじ、協調性も欠かさない人物となります。

図-1 企業が採用選考で重視した能力の調査結果(2010年日本経済団体連合会)

2 建築施工系技術者に求める人材像

 それでは、施工管理者に求められる能力とはどのようなものか整理してみます。顧客・設計者の要求を満足した建物を造るためには、顧客のニーズを読み取る「洞察力」、工事のスムーズな進捗を促すための「リーダーシップ」、他者からの「信頼」、多くの人々をタイムリーに日々動かすための「判断力」、顧客・設計・業者と打ち合わせ、交渉する「コミュニケーション力」、そして、事故発生・近隣との紛争など不確実性に対応できる「現場力」が必要であると言われております。新卒面談の際、施工管理者として最も必要と思われる能力なりスキルについて全学生に問いかけますが、ほぼ全員が「コミュニケーション」と回答しております。しかしながら、2009年~2010年に内定者並びに新入社員が感じている不安項目を調査した結果、その筆頭に挙げられたのが期せずして「コミュニケーション」という結果でした。
 新卒採用時にこれらの資質やスキルをSPIと面接で検証することになります。まずは、SPIですが、「コミュニケーション能力」の有無については、「職務適応性」にあります“対人接触”、“対人折衝”、“協調協力”、“サポート”の評価を参考とします。
新卒面接では、過去の行動を掘り下げるコンピテンシー面接により学生時代における学業と学業以外の経験と実績を確認することになりますが、短時間での面接で、適性・技量・力量を見抜くのは正直難しいです。但し、「知性」は言葉使いで、「コミュニケーション能力や情熱」は声の張りや大きさで、「自己表現力や生命力」は眼の輝きである程度見抜くことは可能と思われます。


<参考>
※3 「コミュニケーション能力とは何か」鈴木 哲 講談社

 

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