連載

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2017年11月号 No.493

PROFESSIONAL 職長として若手に受け継いでいく 仕事に対する責任感とプライドを

牧野徹也さん
1973年4月生
千葉県出身
大州建設工業(株)

二十歳の時、父親の後を追いかけるように、憧れの型枠職人の世界に飛び込んだ。あれから二十数年。数々の現場で経験を積みながら、自らの技能に磨きを掛けてきた。
今、従事しているのは千葉県内で進行中の大型土木工事の現場。土木の場合、仕上げ工程がない分、型枠工の仕事が目に見える形で露わになる。それだけに求められる精度はシビア。気を抜けない現場施工が続く。
一方の建築は、ボード仕上げなどで型枠の成果が隠れてしまう。だからといって、妥協することが許されるわけではない。
型枠は建物の基礎的な部分をつくる仕事の一つであり、全体の品質にも影響してくる。手を抜けば、会社の信用にも関わる。それ以上に次の工程を手掛ける人たちに気持ちよく仕事をしてもらうためにも、しっかりとした品質のものを作り込み、引き渡せるようにしたい。
楽してできる仕事より、難しかったり、忙しかったりする方が「自分としては燃えてくる」。出来上がった時の達成感が格段に違うからだ。
型枠工の職長として今、19歳から24歳までの会社の若手の指導を一手に任されている。中には女性もいる。けがをせず、とにかく安全に。そのことに「一番気を遣う」。
毎朝6時台には若手と一緒に現場に乗り込み、8時の朝礼開始までの時間を、その日の作業を一通りイメージするのに充てる。ある程度経験を積んだ職人であれば、作業の注意事項など要点を伝えれば済む。しかし、若い人たちは1から10まで丁寧に教える必要がある。
毎朝、しっかりと作業内容を伝えてから施工に取り掛かるが、実は頭の中には、一週間の作業工程が入っている。職長として工程通りに作業を進めていきたいのに、思い通りにならないこともしばしば。「これでは今週の作業が終わらないぞ」。そんな檄を飛ばすこともあるのだという。
世代が違えば、仕事に対する思いも異なる。若者と対峙しながら、職長としての役割をまっとうできるよう、現場施工に勤しんでいる。

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