連載

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2017年5月号 No.488

屋上散歩 JR恵比寿ビル(アトレ恵比寿)屋上庭園 ebisu green garden

紀元前600年頃、古代バビロニア帝国では、緑を恋しがる妃を慰めるため水を建物の上までくみ上げ、樹木や花などを植えた屋上庭園が作られていたという。そう、屋上庭園は、実はとても歴史のある施設なのだ。
日本では、2001年に東京都が施行した『東京における自然の保護と回復に関する条例』によって屋上庭園の普及にスピードがついた。さらに保水力に優れた軽い土、防水性に優れた資材が当時相次いで開発され、さらにはヒートアイランド現象など、環境問題がさらに注目を集める状況だった。さまざまな要素が重なり、現在、東京の屋上は緑にあふれているというわけ。
そのなかで、今回訪れた屋上庭園はJR恵比寿駅に直結したJR恵比寿ビル(アトレ恵比寿)屋上にあるebisu green garden。総面積約2,100m2の屋上庭園だ。既存の屋上を底上げし(軽い土と資材のおかげ!)、2009年にオープンした。シンボルツリーのオリーブを中心に、ハーブや季節の花々が咲き、近隣の保育園児や会社員など午前中から多くの人々が集まり、東京タワーを眺めることもできる。庭園の一角にあるのは会員制の菜園「ソラドファーム恵比寿」。クワやスキ、苗や種、肥料なども貸出してくれるため、手ぶらで行ける点が人気を集め、約40区画は現在満杯。「遠方にお住まいの会社勤めの方は昼休みに収穫に来ています。最近はパクチーの栽培を始める人が増えていますよ」と話すのはソラドファーム事務局の熊原淳さん。流行に敏感な恵比寿の人たちは、作る野菜もトレンドに乗っているようだ。

にぎやかで洗練された恵比寿の街とは、雰囲気が一風異なる屋上の世界。ちょっと途中下車してのぞいてみるのはいかが?

(取材・文 浦島 茂世)


昨年4月、隣接地にアトレ恵比寿西館がオープン。こちらの屋上にはプラントハンターの西畠清順氏がプロデュースした「アトレ空中花園」が開設され、世界中から集めた貴重な植物で埋め尽くされた、ebisu green gardenとはまた異なる屋上空間が生まれている。

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