人材確保・育成

建設産業を支える女性たち

建設産業を支える女性たち|ゼネジョに聞きたい100の質問

ゼネジョに聞きたい100の質問  「ゼネコンってどんなところ?」、「女性も働けるのかな?」......。インターネットで調べればたくさんの情報は出てくるけれども、実際に働いている人から聞く「ゼネコン」の話は、とても新鮮で興味を惹かれるものがある。ゼネコンで働いている女性の話を直接聞きたいという思いから、工学院大学・山下てつろう研究室の学生が中心となって、ゼネコンの就職を考える女子学生の質問に答えてもらえる場を作ろうと【GENE × Sisters】、略して【ゼネシスの会】が設立された。


企業で働く女性がこんなに集まることはめったにない

 きっかけは、戸田建設㈱に勤める森田さんが、名古屋大学在学時代の恩師、山下てつろう先生(現工学院大学教授)に、自身が参加する「ゼネコン女子会」のことを話したのがきっかけであった。山下先生はゼネコンに勤める女性の声を、ぜひ学生にも聞かせたいと、自身の研究室の学生に話を持ちかけた。学生主導のもと、半年ほどかけて100の質問をまとめたのである。
 平成26年11月29日、工学院大学にゼネコンの戸田建設㈱、清水建設㈱、㈱安藤・間、そして設計事務所の㈱南條設計室で働く7名を迎え、100の質問に答えてもらうパネルディスカッション形式のイベントが開催された。全国の大学の建築系研究室にも声を掛け、専用ホームページを開設しインターネットで参加者を募集した。当日は全国から20名ほどが参加した。女性だけが参加したこのイベントは、仕事だけではなく、ゼネジョの恋愛やオシャレについて、赤裸々な私生活を明かすガールズトークが展開された。

 

学生が聞きたい100の質問にゼネジョが本音で答える


 Q 10   どの場面で男女のジェンダーを最も感じますか?

森田 打合せは社内外とも最初は上司が同行。慣らしてから1人で行かせてもらっています。女性は頑固だとか融通が利かないだとか、先入観を持って対応されたりすることもあります。
大島 私は構造設計なので、現場の配筋などを検査しますが、女性が担当だと検査が厳しいという職人さんは多いです。そのせいか気を使っていただいて、現場をすごくキレイにしてくれます。(一同笑)

 Q 14   女性で得した!と思ったことはありますか?

冨田 現場で、何百人の男性の中に女性1人だったから、「千佳ちゃんのためなら何でもやるよ!」とか、鉄筋の工程を優先していると「お前、鉄筋屋とできているのか?」などと冗談を言われましたね。(一同笑)

 Q 19   現場に女性トイレはありますか?

大島 男女共用ということはよくあります。臭うからだと思うのですが、ある現場で、トイレの扉が開けっ放しでロープで固定されていて、扉が閉まらないことがありました。その日は急いで検査を終わらせて帰りましたね。(一同笑)

 Q 34   出社時の服装は自由ですか?

冨田 わたしはスカート、ハイヒールで現場に行きますが、2階の事務所の階段を登るときに、階段の真下に喫煙スペースが置かれ、そこからスカートの中が丸見えだったということがありました。(一同笑)

 Q 48   土、日、祝日は休みですか?

久保田 基本的には休みです。大学時代の友達と出掛けたり、旅行に行ったりしています。

 Q 61   育児休暇は取れますか?

冨田 実際に1年くらい取っちゃいましたね。
岩本 1年は取れますが、早く戻る準備の成果もあり、タイミング良く空きが出て思ったより早くに子どもを保育園に入れられたので、産後3カ月で復帰しました。私の場合は少し育児ノイローゼになりかけていたので、仕事に戻れるのが早くて良かったのですが、今になって振り返ると、制度は有効に使って復帰後の育児や仕事に備えるのが良いと思います。

 Q 64   社内の既婚女性と未婚女性の比率はどうですか?

小山 入社5年目までに結婚される方が増えてきました。既婚率は上がっていると思います。
大島 設計は女性が26人いますが、20代の既婚率は高いですね。(一同驚き)

 Q 97   他の企業で働く女性と比べて最も異なっていると思う点は何ですか?

高木 ゼネコンは設計から竣工まで同じ物件に関わるので、トータルで仕事ができている感じがあって好きですね。

 Q 98   ゼネコンで働き続けるために最も必要だと思われる要素はなんでしょう。

岩本 大勢の人と仕事をするわけですから、とにかくコミュニケーション能力だと思います。


参加者の感想

 大学の展覧会にいらした清水建設の方から今日のことを聞いて京都から来ました。ゼネコンに就職した理由や、私はゼネコンに建築意匠設計で就職したいので、ゼネコンの良さ、社員食堂などの福利厚生、仕事での人間関係って勤めている人でなければ分からないから、直接聞けて良かった。意外と日常生活の話も多かったので安心できました。
(立命館大学 大学院 修士1年)

 建築生産の分野でマネジメントを専攻して勉強しています。小さい頃に大工さんに憧れて、建設業に興味を持ちました。作り上げていくことが実感できるので施工管理をしたくて、ゼネコンが求めている女性職員の人材像が聞けたので良かったです。皆さん高いところに目標を定めていて、モチベーションが高いということも分かりました。小さな現場ですがインターンシップには何度か行きました。覚悟はしていたのですが、そこには女性トイレや更衣室が無かった。今は普及していると分かって安心しました。
(工学院大学 建築学部 建築学科 3年)
 


戸田建設㈱  岩本 浩子さん Hiroko Iwamoto
 将来を考えた高校生のときに、ものづくりの仕事に就きたくて業界の内容を一切知らずに建築設計の仕事を選びました。建設業界は大変な仕事が多いですが、お客さまに喜んでもらえるのがうれしくて続けられるのだと思います。建築設計には、いろんなカタチがありますが、ゼネコン設計部のチームで進める仕事・仲間が大勢いることはとても魅力に感じます。
所属部署 本社 建築設計統轄部 計画設計部(入社7年目)
出身大学 多摩美術大学 美術部 建築科

 

㈱安藤・間  大島 実穂さん Miho Oshima
 ゼネコンの構造設計は、現場で建物が建っていく過程をごく身近に感じることができ、とても楽しいです。建設業界でも、女性が楽しく働けることを知ってもらえればと思います。
所属部署 建築事業本部 構造設計部 特殊構造・耐震改修グループ(入社13年目)
出身大学 明治大学大学院 理工学研究科 建築学専攻

 

㈱安藤・間  高木 日花里さん Hikari Takagi
 ゼネコンの設備の部署では、設計・積算・管理のローテーションを組み、その中で自分がやりたいことを実際に経験して決めることができます。現場では、建物ができあがっていくのを毎日間近に見られ、完成時の達成感はとても大きいです。建築物は多くの方が携わって成り立っています。その一員になってみたい、と思ってもらえればと思います。
所属部署 建築事業本部 技術統括部 設備設計部 設備設計グループ(入社2年目)
出身大学 近畿大学 工学部 建築学科

 

清水建設㈱  小山 敦子さん Atsuko Koyama
 懐が深いのがゼネコンの良いところです! この業界に入って様々な方とチームとなって仕事をしていく中で「ひとの笑顔をつくることが建築である」と感じていて、ゼネコン意匠設計には、デザインを軸にプロジェクトを編む「作曲家」のような人が向いていると思います。たくさんの元ゼネシスと一緒に、楽しい仕事をする未来を想像すると、わくわくします。
所属部署 本社 設計本部 業務施設設計部(入社6年目)
出身大学 東京工業大学大学院 理工学研究科 建築学専攻

 

㈱南條設計室  久保田 幸恵さん(アドバイザー)Sachie Kubota
 戸建て住宅から都市計画、まちづくりまで様々な規模の仕事に参加させてもらえる設計事務所で働いています。発注されるお客さまもゼネコンやデベロッパー、個人のお施主さまなど様々です。毎日の仕事のやりがいや辛いこと、とにかく素直にお話しできれば良いなと思います。
所属部署 設計(入社5年目)
出身大学 工学院大学 工学部 建築都市デザイン学科(倉田研究室)

 

戸田建設㈱  森田 慧さん Kei Morita
 建築が好きな人、現場で建物が建ってゆくのを見るのが好きな人、みんなでわいわいものづくりするのが好きな人......。ゼネコンに入れば大変だけどとてもやりがいのある仕事が待っています! 竣工の喜びは格別です。「GENE × Sisters」の仕掛け役。
所属部署 本社 建築設計統轄部 計画設計部(入社6年目)
出身大学 名古屋大学大学院 環境学研究科 都市環境学専攻

 

清水建設㈱  冨田 千佳さん Chika Tomita
 建設現場の工事長になるため、日々勉強中。現場は、毎日刺激があり、やりがいがあり、私は大好きです。この会を通じて、建設業界の魅力を皆さんに知っていただけたらと思っています。
所属部署 関東支店 埼玉営業所 建築技術部(入社8年目)
出身大学 前橋市立前橋工科大学 工学部 建築学科

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