人材確保・育成

建設産業の人材確保・育成に係る現状と課題〈中間報告〉

建設産業の人材確保・育成に係る現状と課題〈中間報告〉

一般財団法人建設業振興基金
建設産業共同教育訓練協議会
職業訓練法人 全国建設産業教育訓練協会
富士教育訓練センター

 当基金は、次の趣旨により、今秋に建設産業界としての体系的な建設技能労働者・技術者の確保・育成に関する方針をとりまとめるため、「建設産業人材確保・育成方針策定会議」(平成25年2月設置)し、これまでに3回にわたる議論を実施。また、都道府県建設業協会等関係機関の人材確保・育成に係る現状について、意見交換を実施し、中間報告としてとりまとめた。

 

趣旨

 現場施工能力の再生を図り、将来的にも地域を支える足腰の強い建設産業を構築するため、建設産業界として、その担い手となる技能労働者や技術者の確保・育成に体系的かつ積極的に取り組む必要がある。
 昨今の若年者の厳しい就職事情や就業意識の変化等を踏まえ、地域の経済及び雇用を支えてきた建設産業は、就労環境を整え、若年者に魅力的かつ安定した就労の場を提供する役割を担っている。また、建設産業への若年者の就業を促進するにあたっては、工業高等学校等教育機関との連携が重要である。
 建設産業界として、体系的な教育訓練を実施するだけでなく、個々の企業が取り組む教育訓練に対する情報提供や支援、行政との総合的な調整、教育機関との連携または各種広報活動等を行う中核的センターの必要性について検討する必要がある。

背景

▶若者が社会における居場所を築けなくなりつつある日本
※グラフ(巻頭対談「建設産業の人材確保・育成」)

▼技術・技能継承の危機を迎えている建設産業


クリックで拡大 「建設産業における教育訓練体系」と「学校と社会をつなぐ仕組み」の再構築が必要

見えてきた課題

OFF-JTを活用した
人材育成、教育訓練体系の
再構築が必要
若年労働者の確保・育成は、建設産業全体の課題であるが、施工現場に人的・時間的な余力がなくなり、これまでのOJT中心に行われてきた知識・技術・技能等の継承が難しくなってきている。これは、経験の浅い若年層の採用を抑える傾向を生じさせ、かつ、入職した若年層が建設業でのキャリアパスや目標を抱けず、早期離職してしまう要因の一つとなっている。
施工現場だけでなく、
建設業を体験実習する機会を
提供する仕組みづくりが必要
施工現場の余力の喪失は、建設系学科で学ぶ、学生・生徒に対するインターンシップ等で受け入れる余力も失わせており、若年層の建設現場に接する機会の減少は、建設業からの求人数の減少と併せて、若年層における建設業への就職意識の醸成の低下を招いている。
行政、学校等、様々なルートを通じて、
社会や家庭にわかりやすく建設業の
魅力や役割を伝える広報が必要
建設業は、多様な職種があり、モノ作りの醍醐味、成長の喜びがある産業である。また、災害時においても地域の安全・安心を守っているにも関わらず、仕事の内容や役割が外から見えにくいという側面がある。

これらの課題に建設業界と教育機関が一体的に取り組むためには、人材の確保・育成に係る中核的センター機能が必要である。


中核的センターの機能

●技能労働者や技術者に対する体系的な教育訓練を実施
●建設企業が取り組む教育訓練に対する支援や情報提供
●教育機関(工業高校、大学、専門学校)が取り組む実習教育に対する支援や情報提供
●国、地方公共団体との総合調整
●学生・生徒、保護者、教育機関等への広報活動


◎地域の雇用を担う建設産業が学校と社会をつなぐ仕組みづくりの一環を担う
◎教育訓練を通じ、技術・技能の継承と働く者のキャリア形成を担う

今後は、行政機関、業界団体、教育機関との意見交換を実施し、今秋を目途に、
中核的センターの具現化を含めた最終報告を公表する予定


・建設産業人材確保・育成に係る現状と課題 中間報告 記者発表(53K)ダウンロード
・建設産業人材確保・育成に係る現状と課題 中間報告 概要(165K)ダウンロード
・建設産業人材確保・育成に係る現状と課題 中間報告 本文(214K)ダウンロード
・資料(1300K)ダウンロード

参考

「建設産業人材確保・育成方針策定会議」開催状況
〈第1回〉 平成25年2月1日
・会議開催趣旨及びスケジュール等について
・建設産業における就業等の状況について
・総合工事業、専門工事業各社の取り組み、現状と課題について
〈第2回〉 平成25年3月1日
・教育機関の取組と建設産業との連携等に係る現状と課題について
〈第3回〉 平成25年4月15日
・教育機関の取組と建設産業との連携等に係る現状と課題について
・方針策定の趣旨、これまでの議論を踏まえた現状認識等について
・方針に盛り込むべき事項(案)について

「建設産業人材確保・育成方針策定会議」委員名簿(敬称略・五十音順)
 委 員
 石井 友博 株式会社フジタ 建設本部 建築部長
 石澤 拓哉 石澤工業株式会社 代表取締役
 内山 聖 一般社団法人建設産業専門団体連合会 副会長
 浦江 真人 東洋大学 理工学部 建築学科 教授
 大木 康全 株式会社大木組 取締役工事部長
 岡田 宏章 練成工業株式会社 代表取締役
 小島 聡 全国高等学校建築教育連絡協議会 事務局(千葉県立東総工業高等学校建設科科長)
 鈴木 央 鈴木職業訓練校 学長(株式会社鈴木組 代表取締役)
 福田 雄一 一般社団法人日本建設業連合会 常務執行役
 本多 敦郎 鹿島建設株式会社 安全環境部 担当部長
 増田 進弘 鉄建建設株式会社 土木本部 土木企画部長
 松田 正之 全国専門学校建築教育連絡協議会 常任幹事(中央工学校 教務部長)
 室川 正和 一般社団法人全国建設業協会 常務理事
 オブザーバー
 榎本 健太郎 国土交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課長
 福士 亘 厚生労働省 職業安定局 建設・港湾対策室長、介護労働対策室長
 持田 雄一 文部科学省 初等中等教育局 児童生徒課 産業教育振興室 教科調査官、国立教育政策研究所 教育課程研究センター 研究開発部 教育課程調査官
 事務局
 一般財団法人建設業振興基金
 職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会

調査資料

全国の建設系学科の進路状況調査について(平成24年度)
全国高等学校建築教育連絡協議会 事務局 小島 聡(千葉県立東総工業高等学校 建設科 教諭)

1. 調査の目的
 平成24年7月、国土交通省より「建設産業の再生と発展のための方策2012」が公表され、方策では、現場施工能力の再生を図り、将来的にも地域を支える足腰の強い建設産業を構築するため、その担い手となる技能労働者や技術者の確保・育成を積極的に展開することが必要との指摘がなされました。
 しかし、これまでの人材の確保・育成は個々の企業や協力会社の事業協同組合、地域の建設業団体等の取り組みや努力によるところが多く、建設産業全体としての体系的な取り組みは未だなされていない現状です。また、昨今、若年者の就職事情が変化し、厳しい状況にある建設産業界としても、就労環境を整え、ものつくりの意義や、キャリアアップの道筋を提示することにより、若年者に魅力的かつ安定した就労の場を提供することが課題となっています。
 今般、建設業界の就業教育を実践する全国の建設系高等学校の進路調査を実施。集計結果の分析を紹介します。

2. 調査の実施
(1)調査対象校は、全国高等学校建築教育連絡協議会に加盟する244校。
(2)調査集計



3.調査の結果及び分析
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 調査結果より、継続した求人と雇用を望む声が多く寄せられた。働く場がなければ、希望がなく建設業界から離れていく。
高校求人日(7月1日)の解禁日にあわせた求人票を求める声も多くある。さらには、絶対的に求人数が少なく、ゼネコンからの求人は皆無に近い。大手ゼネコンや設計事務所からの高卒求人を求める声とともに、女子生徒の雇用拡大を望む声も多くある。
積極的に女子生徒を技術者として採用いただきたい。

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