企業経営改善

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FOCUS | 新分野で地域活性を 建設業として地元の雇用を守りたい|北海道/士別市

しずお建設運輸株式会社 社長 今井 優子 氏
社名:しずお建設運輸株式会社  所在地:北海道士別市東二条北
社長:今井 優子  社員数:135名

No.08:女性経営者インタビュー

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 昭和40年代、父の佐藤静男がトラック1台で下請け会社として始めた当社は、自社の機械を少しずつ増やし、いまではダンプ40台、重機100台ほど所有し、下請だけでなくこれら重機を活用した外注比率の低い元請け工事も可能となりました。
 現在は私が代表を務めていますが、昔とは違い工事を請け負っても赤字が出ることもあり、重機を抱えながらの経営は難しくなってきているのが現状です。人員削減を迫られるなか、長年働いてくれた従業員をリストラすることだけは避けたいと、砕石事業や産廃処理事業のほか、農業と酪農にも進出して事業の安定を図り、地域の雇用をなんとか維持しています。

カリスマ会長(父)のもと、女性経営者として縦組織を横連携へ

 私が代表になるまでは、全ての現場を父(現会長)がとりまとめており、現場代理人も父の指示で動いていました。私が引き継いでから、長年父と一緒にやってきた従業員の一部から反発もあり、残念ながら会社を離れていく従業員もいましたが、まずは朝6時に出社し、従業員を現場に送り出すことから始めました。その際スーツを着ていたところ、父に「土建屋なのだから、スーツみたいな格好で出てこないでくれ」と怒鳴られたり、従業員には「優子社長は現場が分かるわけでもないのに、何で6時に出社しているの?」と聞かれたりしたこともありました。私は、みんなより早く出社し「おはよう!今日も安全にケガしないで頑張ってね」と言うだけです。みんなの安全を願って送り出すことが私の大切な仕事です。
 現在、地元出身の経験豊富な技術者を副社長に迎え、父に頼ることなく経営ができるよう二人三脚で取り組んでいます。  建設工事というのは、高い品質で仕上げ利益を出す仕事です。しかし、昔と違い仕事を取れば利益が出せる時代ではありません。このため、当社では、個々の現場の進捗状況、課題等を現場代理人みんなで話し合う場を設けました。チームとして利益確保に対する意識を高めていきたいと考えています。また、現場を円滑に動かし、利益を少しでも出すためには、会社として従業員全員が原価というものを意識することが必要です。このため原価管理システムを導入して現状を目に見えるようにしています。父である会長には、有言不実行とならないよう軽々しく想いを口にするなと言われることがありますが、夢を語れなければ誰も賛同してはくれません。まだまだ取り組まなければならないことはたくさんありますが、私を支えてくれる副社長を右腕において、一つひとつ解決していきたいと考えています。

地域の雇用の受け皿として新分野で地域経済を活性化

 農業分野への進出は、ビートの生産を日本甜菜製糖(株)から依頼されたことがきっかけでした。農業土木の技術を活かし、地域建設企業として地元に貢献したいという思いから、当時社長だった父の号令のもと、地元の遊休農地や人材を引き受け「しずお農場」を作りました。1407_18_focus_02.pngその後、市から観光やまちおこしを目的としたサフォーク羊の飼育の要請もあり、農場などの造成工事はしずお建設運輸に発注するなど、グループ経営をしています。どちらの事業も継続していくためには、一体どうすればいいのかと、本当に悩みました。
 羊肉は冷凍すると臭いが出てしまう肉種。当時は売り先も少なく、満を持してCAS冷凍機を導入し、保存方法を変えることで臭みを抑え、当社の羊肉を選んでくださるシェフも増えました。いま羊の食肉加工工場を持つ生産農家は日本で当社のみです。
 こうした地域密着型の事業は、地元ブランドを創るだけではなく、新たな雇用を生むこととなり、多くのメディアが注目してくださるようになりました。


農場内の宿泊施設「ファームインλ(ラムダ)」には、
レストラン「μ(ミュー)」があり、
士別の大自然と美味しいラム肉をお楽しみいただけます。
札幌にはラム串のお店もオープン!

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