企業経営改善

建設産業の魅力を発信するためのアクションプラン

建設産業の魅力を発信するためのアクションプラン

国土交通省 土地・建設産業局建設市場整備課
日経コンストラクション編集部 記者 木村 駿
公益社団法人 土木学会 調査役 高橋 薫
NPO法人 建設経営者倶楽部 / KKC理事長(ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役)降籏 達生
一般社団法人 全国中小建設業協会 専門役 岩崎 好美
一般社団法人 日本建設業連合会 広報部 主事 白井 宏和
一般社団法人 全国建設業協会 関澤 健太郎
一般財団法人建設業振興基金 建設産業情報化推進センター 濵崎 貴司
東日本建設業保証株式会社 課長代理 村井 順

 昨年度「建設産業の魅力を発信するための戦略的広報検討会」が開催され「建設産業の魅力を発信するためのアクションプラン」が取りまとめられました。本号では、その概要を紹介するとともに、業界に携わる方々のそれぞれの立場から建設産業の魅力について語っていただきました。

 

今後取り組むべき方向

 建設業における広報は、各団体・企業がそれぞれ独自に行っていますが、送り手の思いが受け手である国民の皆さんに届いているとは言えない現状があります。建設産業に対する世間のイメージは、業界関係者が思い描いているものとは乖離し、これまでの取り組みの見直しが迫られています。今後は業界内だけに終始することなく、より広い視野に立った広報活動が必要になります。

基本的な考え方

 受け手に伝わる広報活動とはどのようなものでしょうか。まず1つは、それぞれの団体・企業が個々に実施するのではなく、それぞれの思いや願いを集約して「戦略的に練り上げた広報」が基本になります。建設産業の場合、伝えるべき対象は、「生徒・学生ならびにその保護者」「学生予備軍である子供」であり、もちろん世間一般への発信も大切です。内容については、業界内の各団体の活動に関する広報をもとに、業界が一致団結し、単発に終わらぬよう持続していくこと。これが建設産業の「魅力」を発信する、今後取り組むべき方向性といえるのです。

戦略的広報に向けたポイント

 建設産業に対する理解を得るためには、受け手の関心、知りたいことに留意し、理解を得たい相手である国民の皆さんに意識されるように仕掛けることも必要です。また、若い人たちに向けた広報を効果的に行っていくためには、若い感性に訴えかける話題性のあるもの、新しい情報の発信も欠かせません。
 受け手に届く広報では、戦略的なテーマ設定のもと、“説得”ではなく“共感”を大切にして、“顔が見える”ように意識すること。また、学生・保護者・世間一般といった受け手の関心を得るような情報発信により、注目を集めるようなシナリオを描くことも重要なポイントになります。
 具体的な手法としては、影響力の大きいテレビ・ラジオ・新聞・雑誌などへの働きかけはもちろん、現代の口コミであるSNS(ソーシャルネットワークサービス)の活用、さまざまな専門分野で影響力のある人へのアプローチなども仕掛けていきます。そして、それぞれの広報活動については随時効果測定を行い、その結果を今後の広報戦略の実施に役立てていくことも重要です。

戦略的広報に向けた提案(アクションプラン)

〈図1〉❶業界が一体となった情報発信
 関係団体によって構成される建設産業の魅力発信推進協議会(仮称)を立ち上げ、効果的なテーマ設定のもと、受け手の“心に響く”内容の情報発信を強化する。

❷若年層の入職促進に向けた取り組み
 受け手に応じた取り組みとしては、「生徒・学生」「保護者」「子供・学生予備軍」に対する働きかけと、「学校・教員との連携」がポイント。また、各団体・企業で実施している広報の取り組みの情報共有を進める。さらには、各団体・企業で実施している広報の取り組みのうち、優良事例のノウハウを抽出し、各団体・企業における広報活動にフィードバックする。同時に、建設産業界と中学・高校・専門学校などとの連携の強化も図っていく。

❸戦略的広報の推進
●業界横断的な推進手法として、建設産業の魅力を発信する「総合HP」の開設、共通ロゴ・トレードマーク・標語・マスコットなどの作成、現場オープンデーの実施、災害時の広報などを複合的に組み合わせて実施する。 ●「気づき」に向けた空気づくりとしては、受け手が関心を抱くような共通テーマの設定、広報ガイドラインの作成や記者懇談会、記者向け現場見学会の開催、ソーシャルメディアの活用など。 ●中小建設企業・関係団体向け広報ガイドラインの作成については、これを活用することで効果的な広報を実施することが必要。 ●地域貢献活動や災害対応事例の作成、現場作業のPRなどにより地域の取り組みを強化する。 ●広報活動については、単にメディアへの情報発信だけで終えるのではなく、それがどのように取り上げられたかをフィードバックし、今後の活動に活かす。また、建設産業のイメージ調査を定期的に実施し、戦略的広報の効果を継続的に測定する。〈図1〉

建設産業における戦略的広報の展開について

〈図2〉

❶建設産業の魅力を発信する“総合HP”の開設
 戦略的広報のテーマを設定する。各団体・企業からの情報提供を受け、一元的に情報発信、スクリーンセーバーや壁紙の配布、SNSの活用などを推進

❷新聞・雑誌などメディアへの情報発信強化
 記者懇談会の開催や記者向け現場見学会を実施。メディアに発信した内容の露出状況を調べ、結果をフィードバックする。

❸建設産業の体質強化支援緊急助成事業(仮称)
 建設業団体による、戦略的広報、災害対応準備、将来担い手(若年者)確保・育成の取り組みに対して助成する(5分の4、一団体当たり上限250万円)

❹現場見学会の定期的開催

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