FOCUS

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2017年10月号 No.492

第1回「実務施工体験研修」 教員免許更新制における免許状更新講習(選択領域)

「モノづくりは人づくりから」を指針に、未来の建設業を担う人材の教科指導等に携わる教員を対象とする「実務施工体験研修」が開催されました。この研修に携わった関係者に研修の目的や意義をお伺いし、実際に受講された先生方の感想を紹介します。


文部科学省国立教育政策研究所教育課程研究センター 教育課程調査官

文部科学省初等中等教育局児童生徒課産業教育振興室 教科調査官
持田 雄一

平成21年4月から実施されている教員免許更新制において、10年に一度、免許状更新講習を受講・修了し、免許管理者である都道府県教育委員会に対して、修了確認又は有効期間の更新のための申請を行う必要があります。今夏、建設業振興基金には、受講者が任意に選択して受講する選択領域として、「実務施工体験研修」を開設していただきました。この講習は、実際に建設工事の施工を通した、教科指導等に有効な内容であると伺っております。
受講された先生方には、身に付けられた知識、技術及び技能により、生徒にはどのような資質・能力を育成するのかについてお考えいただき、授業改善にいかしていただくことを期待しています。



東洋大学理工学部建築学科 教授
浦江 真人

教育活動・進路指導に役立つ講習内容に
本研修では、ゼネコン、ハウスメーカー、専門工事業者で教育研修に携わる方々が講師となり、実務型体験実習のほか、最新の技術、人事・研修制度など、建設業界のリアルな実情を話してもらうことで、今後の先生方の教育活動や進路指導に役立つ情報を得てもらうことが目的です。企業としても建設業界としても工業高校への期待は高く、その点では今回の研修でうまくマッチングができたのではないでしょうか。さらに、これをきっかけに企業と先生方とのつながりができることで、今後、ネットワークが広がればいいと思っています。また参加された先生方には、このような実践的な経験が得られる研修の存在や意義について、ぜひとも他の先生方にも紹介してもらい、来年以降も多くの先生が受講されることを期待しています。



(一財)建設業振興基金 経営基盤整備支援センター 人材育成支援総括研究部長
東(ひがし) 真生

「若い人たちに明日の建設産業を語ろう」というメッセージが建設産業政策会議からありました。高校生をはじめ若い人たちが、安心して建設業の現場に入職して育ってもらえるようにとの願いです。今回参加された高校の先生方は、担い手確保・育成に取り組む当基金の頼もしくて末永きパートナーになってくださることでしょう。次回もより充実した研修になるよう、みんなで工夫します。



職業訓練法人
全国建設産業教育訓練協会・富士教育訓練センター
校長 小松原 学

工業高校・総合高校等では、実習に必要なフィールド不足や費用、さらに教職員の現場経験が薄いことも課題となっているようです。企業の人材に関するニーズ把握も重要ですが、学習指導は学習指導要領に基づいて行われていると思われます。研修では、従来の実績を生かした実務型体験実習と、企業とのディスカッションを通して今後の教育活動に有用となる体験を提供しました。

カリキュラム

受講者の声

「実務施工体験研修」に参加した皆さんに感想をお聞きしました。


千葉県立市川工業高等学校 定時制建築科
神品(こうじな) 賢士 さん

20年間担当していた機械科から建築科に転属して3年目。手に職をつけて建設業で生きるんだという生徒の意欲に応えるべく、より専門性を高めようと受講を決めました。つくる楽しさを実感し、教える側としても初心に返る思いです。



京都市立伏見工業高等学校 定時制工業技術科 建築系列
東(ひがし) 宏喜 さん

身体を動かして実際に造ることで、構造計算やCADでの製図など座学で教えてきたことが1つにつながり、ますます建築が面白くなりました。教えられる側の気持ちを思い出したり、企業の独自ノウハウを垣間見たり、多くの収穫がありました。



千葉県立市川工業高等学校 定時制建築科
宮下 陽介 さん

定時制なので建設現場で働く生徒が多く、もっと体験に基づく教え方をしたいと考えていました。研修を受けて、道具の置き方にも現場の理由があるなど、建築の奥深さを発見すると同時に、自分のやり方を見直す機会にもなりました。



愛知県立碧南工業高等学校 建築科
竹内 一生 さん

教員免許更新の該当年であり、さらに実務経験を得たいと考えていたので、一石二鳥と思って申し込みました。愛知は工業が盛んで生徒の意識も高いので、ここでの経験をもとに建築に関する新しい気づきを与えられたらと思っています。



大分県立日田林工高等学校 建築土木科
小野 利幸 さん

卒業生の就職先訪問で富士教育訓練センターの評判を聞き、興味を持っていました。今年が免許更新で、しかもこのセンターで開催されると知り、この好機を逃すまいと申し込みました。雄大な富士山のもとで新しい視点を得て、生徒にも学び続ける大切さを伝えたいです。



静岡県立天竜高等学校 総合学科建築系列
栂尾(とがお) 樹 さん

大学卒業後、講師を経て今年4月に教職に就き、少しでも経験値を高められたらと思って応募しました。知識や技術はもちろん、企業の方が語る業界の課題や現場の解決力の高さなどに接し、知らないことの多さを痛感し、いっそう学習意欲が湧きました。

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