特集

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2017年7・8月号 No.490

建設産業政策 2017+10~若い人たちに明日の建設産業を語ろう~

「建設産業政策2007」から10年が経過し、新たにとりまとめられた「建設産業政策2017+10~若い人たちに明日の建設産業を語ろう~」について国土交通省の平田建設業課長にお話を伺いました。


国土交通省 土地・建設産業局建設業課 課長 平田 研


一般財団法人 建設業振興基金 理事長 内田 俊一

「若い人たちに明日の建設産業を語ろう」に込められた思い

内田 今回、とりまとめいただいた「建設産業政策2017+10」を中心にお話を伺います。まず、「若い人たちに明日の建設産業を語ろう」というサブタイトルには、良い意味で驚きました。若い人たちへのメッセージをしっかり送りたいという思いと同時に、建設産業をもっと良いものにして10年後に残していきたいという強い決意を感じました。役所の文書としては、やや異例なサブタイトルに込められた思いを最初にお話しください。

平田 今後の建設産業を語る時に、建設産業は本当にやりがいがあり、若い人たちが、建設産業に入りたいと思ってもらえることが大事だという問題意識がずっとありました。
事務局としては、今回のとりまとめにあたって、10年後に向けていろいろな政策を繰り出していって、その結果、このような産業になるので、「皆さん、ぜひ建設産業へどうぞ」というものにできればと思いました。
行政の文書というのは、ともすれば行政の直接の客体の人たちだけを向いている面があります。今回、課題の先に控えている若い人たちに対して、建設産業に実際に携わっている人の口から自分の言葉で語ってもらうことが良いと考えました。本当のやりがいは何かなどを建設業界の方に改めて考えて、語っていただきたいと思います。

内田 単に若者にアピールするだけではなく、まず建設産業自身が、変わっていかなければいけない。それを自分たちの言葉で語れるようにしてほしい。こういうメッセージですね。

「現場力」と「地域力」

内田 提言では、新しい概念、言葉が使われていると感じました。「現場力」と「地域力」です。「担い手確保等を通じて現場力の維持」とありますが、これまで、担い手確保ということは言われてきていて、この言葉では足りない何かが「現場力」には入っているのでしょうか。

平田 建設産業の場合、それぞれの現場があって初めて建設生産が成り立っています。単に人が入ってくれば、建設企業が成り立つということではなく、現場に能力のある人がしっかりはりついて、良いものを仕上げていただくことが重要であるという意味で、多少造語的ですけれども「現場力」というふうに提案してみました。

内田 建設産業の活動の本拠は現場にあって、担い手とはいっても、この現場での生産の力が強くなってこそ意味があるということを忘れてはいけないということですね。現場を支えるバックオフィスも担い手として大事だということも忘れてはいけませんね。
また、「地域力」の使い方も新しいと感じました。建設産業が地域の守り手であるという捉え方は、最近、確立してきたと思いますが、そこを「地域力」としたのは、どういう意味がありますか。

平田 「地域力」自体は最近、他の行政分野でも使われている言葉ですが、建設産業だけでいろいろな問題が解決できるわけではなくて、行政や地域の人たちなど、いろいろな人たちとの協力関係の中でものを仕上げていくということ、建設産業が地域での単なる守り手以上にいろいろな力を発揮してくれるのではないかということで提案してみました。
また、地域の建設産業が持っている根源的な資質として、技術マインドを有するエンジニア集団であるということの価値をもう一回考え直してはどうかと思っています。建設産業は、地域の中で貴重な存在であり、地域のインフラ整備や災害での出動などの他に、いろいろな展開ができるのではないかと思っています。違う言い方をあえてしてみて、地域の守り手という以上に付加価値がつけられないかなという思いも込められています。

内田 「地域力」という言葉は、一般的にはその地域自身が持っているポテンシャルというような意味だと思います。最初は、建設産業がその地域力を高めるところで一肌脱ぐということかと思いましたら、よく読むと、地域力が建設産業をきちんと守って育てていく方向に向いて欲しいとも書いてある。建設産業が技術マインドと実際の能力を保有する集団として、地域力を高める存在になっていくこととの両面があるということですね。

(参考)地域別の建設業就業者数の推移

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