経済動向

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2017年5月号 No.488

土工に続いて「ICT舗装工」が開始

国土交通省が推進している「i-Construction」が加速する。2016年度から先行して開始した「ICT土工」に続き、2017年度から「ICT舗装工」が始まった。それに合わせて10の技術基準を新設・改訂し、積算要領も新設した。一方、ICT土工についても、1年間かけて実施した活用工事の実績を踏まえ、作業を効率化できるように基準の改訂に踏み切った。

国土交通省はi-Constructionの一環で、マシンコントロール(MC)を搭載した重機や地上型レーザースキャナーを用いた「ICT舗装工」を2017年度から開始した。当面は、直轄の新設舗装工事が対象だ。この3月末に、ICT舗装工に使う10の技術基準を新設・改訂。さらに、積算基準も設けた(下図)

図 ICT舗装工に関して国土交通省が新設・改訂した主な基準

ICT舗装工では、路盤工事にMCモーターグレーダーなどを導入し、起工測量や出来形管理にレーザースキャナーを活用。測量の効率化や丁張りの省略などで、工期短縮や省人化を図る。施工の考え方は、先行するICT土工とほぼ同じだ。

積算基準の見直しでICT建機の導入・リース代を計上

従来と大きく変わる点の1つが、レーザースキャナーを用いた出来形管理だ。出来形管理要領と、それに対応する監督検査要領を新たに作成した。
レーザースキャナーで施工箇所の3次元座標を全面的に計測し、施工前後の標高を比較して層厚を算出。個々の測定値が規格値に収まっているか確認する。従来は、一定の間隔でコアを採取するなどして各層の厚さを確認していた。レーザースキャナーを用いて面的に出来形を管理し、計測結果から検査帳票を自動で作成することで、手間の軽減と品質の向上を図る。さらに、アスファルト舗装や切削オーバーレイなどにもICT建機を導入する。
また、積算基準については、省人化を見込んで労務費を減らす一方、ICT建機の導入費や機器のリースに伴う増分を賄えるようにする。3000m2の路盤工事の場合、ICT舗装工の工事価格は従来の1.1倍の1000万円程度になる試算だ。

ドローンを用いた測量では「ラップ率緩和」で作業時間を短縮

国土交通省はさらに、ICT土工に関して、2016年度から使用していた15基準のうち6つを改訂した。
例えば、「空中写真測量(無人航空機)を用いた出来形管理要領(土工編)(案)」。ドローンで写真測量をする際に考慮する「ラップ率」の規定を緩和する。計測対象を一定の高度からくまなく撮影し、得られた大量の空中写真を解析して3次元点群データを作成するが、撮影の際は写真同士が重なり合うようにする。その重複度を面積比で表したのがラップ率だ。
これまでは、同一の撮影コースにおけるラップ率を90%以上、隣り合うコースの写真とのラップ率を60%以上と規定していたが、条件を満たした場合に前者を「80%以上」に緩和する。ドローンの飛行速度を従来よりも大きくできるので、道路工事で延長1km、幅60mを計測する場合に約2時間掛かっていた作業が、約70分で済む。

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